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相続税申告をしないとどうなる? 申告漏れの防止方法も解説

近年の税制改正により、相続税の基礎控除額が引き下げられたことで、以前よりも多くの方が相続税の申告対象となっています。

もし、申告を適切に行えなかった場合、多くのリスクがあることをご存じでしょうか。

本記事では、相続税申告をしないと起きることや、申告漏れを防ぐための対策についても解説していきます。

相続税申告をしないと起きること

相続税は、被相続人の遺産総額が基礎控除額を超えた場合に、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付を行う義務があります。

自分たちには関係ないだろうという思い込みや、手続きの煩雑さから放置してしまうケースも見受けられますが、無申告のまま期限を過ぎると、法的な不利益を被ることになります。

申告を怠ることでどのようなリスクが生じるのか、具体的な内容を確認していきましょう。

ペナルティが発生する

相続税の申告期限を守らなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、複数の厳しい加算税が課せられます。

代表的なものとして、期限内に申告しなかったことへの罰則である無申告加算税が挙げられます。

無申告加算税は期限後に申告を行ったタイミングに応じて、納付すべき税額に対して5%から、場合によっては30%もの割合で上乗せされる重い負担です。

さらに、納付が遅れた日数分だけ延滞税という税金も発生します。

延滞税の税率は期間が長くなるほど高くなるため、放置すればするほど雪だるま式に納税額が膨れ上がってしまいます。

もし、意図的に財産を隠蔽したり偽装したりしたと判断されれば、さらに重い重加算税の対象となり、35%から40%もの追徴課税を受ける可能性があります。

特例や控除を利用できない

相続税には、納税者の負担を大幅に軽減するためのさまざまな優遇措置が用意されています。

たとえば、配偶者が相続する際に1億6000万円までが非課税となる配偶者の税額軽減や、自宅の土地の評価額を最大80%減額できる小規模宅地等の特例が代表的です。

しかし、これらの特例の多くは、期限内に申告書を提出することが適用条件となっています。

たとえ特例を使えば税額が0円になるケースであっても、無申告のままでいると特例の適用が認められず、本来の評価額で高額な税金が算出されてしまいます。

後から慌てて申告しても、正当な理由がない限り遡って適用を受けることは難しく、数百万円、数千万円単位の損をしてしまう可能性があるのです。

税務調査に入られやすくなる

相続税の申告内容に疑わしい場合、あるいは適切な金額の税金が支払われていないと判断された場合、税務署は税務調査を実施します。

税務署は国税総合管理システムを用いて、過去の確定申告の実績や不動産の売買履歴、さらには家族の預金状況までを詳細に分析しています。

申告がないことに対して不審を抱けば、事前通知のもと、調査を行う可能性があります。

申告漏れのリスクを下げる方法

意図的な隠蔽でなくても、知識不足や確認漏れによって結果的に申告漏れとなってしまうケースは多くあります。

後からペナルティを受けないためには、相続発生後の初期段階でどれだけ正確に情報を集約できるかが鍵となります。

申告漏れを未然に防ぐための具体的な対策を以下で3点、紹介します。

対策①財産目録を作成する

まずは、被相続人が残したすべての財産を一覧表にした財産目録を作成しましょう。

預貯金、株式、不動産はもちろんのこと、生命保険、書画骨董、自動車、さらには借入金や未払いの公租公課などのマイナスの財産もすべて書き出します。

自宅の整理を徹底し、届いた郵便物や通帳の履歴、証券会社からの通知などを丹念に追う作業が必要です。

目録として可視化することで、相続人同士で情報を共有でき、特定の財産を見落とすリスクの軽減につながります。

対策②税理士に依頼する

相続税の計算は、他の税目に比べて非常に複雑であり、専門的な知識が求められます。

特に土地の評価や特例の適用要件の判断は、一般の方が自力で行うには限界があります。 相続に精通した税理士に依頼することで、最新の税制に基づいた正確な評価が可能になり、申告漏れのリスクをより抑えることができます。

税理士は独自のノウハウで財産の漏れをチェックしてくれるだけでなく、税務署から信頼されやすい申告書を作成してくれます。

まとめ

相続税の申告を放置したり、独断で財産を除外したりすることには、大きなリスクが伴います。

厳しい加算税の負担や、有利な特例の喪失、そして税務調査や差し押さえといった事態は、残された家族の生活を脅かしかねません。

申告漏れを防ぐためには、早期に財産調査を行い、名義預金などの複雑な論点についても正確に把握することが大切です。

相続税に関してお困りの際は、専門の税理士までご相談ください。

相続にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。