相続税の未成年者控除|相続放棄しても未成年者控除の利用は可能?
未成年が相続人となる場合、相続税の未成年者控除を適用できる可能性があります。
今回は、相続税の未成年者控除について、相続放棄した場合の扱いも含めて解説します。
相続税の未成年者控除とは?
相続税の未成年者控除とは、相続または遺贈により財産を取得した者が、一定の年齢に達するまでの期間に応じた金額を相続税額から直接差し引くことができる制度のことをいいます。
未成年者控除の適用を受けるためには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
財産を取得した時点で18歳未満であること
未成年者控除の適用要件の1つめは、相続人が18歳未満であることです。
このとき、相続が発生した時点での年齢が基準として用いられます。
日本国内に住所があること
日本国内に住所を有していることは、未成年者控除の2つめの要件です。
ただし、日本国籍を有しており、かつ過去10年以内に日本に住所があった場合などといった一定の例外規定も存在します。
財産を取得した者が相続人であること
未成年者控除の適用要件の3つめは、財産を取得した者が亡くなった方の相続人であることです。
相続人ではない者が遺言によって財産を受け取った場合に未成年者控除を適用することはできません。
以前の相続において未成年者控除を使い切っていないこと
未成年者控除を受ける要件の4つめとして、以前の相続において控除枠を使い切っていないことが挙げられます。
過去に別の相続で未成年者控除を適用していた場合、今回の控除額は過去の控除における残額と今回の相続に基づいて計算した金額を比較し、いずれか少ない方の金額に制限されます。
以前の相続で控除枠を使い切っていても未成年者控除の適用が直ちに否定されるわけではありませんが、今回の控除額は結果的に0円となります。
相続税の未成年者控除による控除額の計算方法
未成年者控除による相続税の控除額は、以下の式で求められます。
未成年者控除による相続税の控除額 =(18歳 - 相続時の年齢)× 10万円
相続時の年齢について、1年未満の端数がある場合には切り上げて1年として扱います。
控除額が納税額を上回った場合には、扶養義務者の税額から差し引くことが可能です。
相続放棄をした場合の未成年者控除の取り扱い
相続放棄をすると最初から相続人ではなかったことになるため、未成年者控除を適用できないのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、相続放棄をした未成年者であっても一定の条件を満たせば未成年者控除の適用を受けることができます。
たとえば、法定相続人に該当する未成年者が相続放棄し、かつ生命保険金を受け取った場合が考えられます。
相続放棄をすると、預貯金や不動産といったプラスの財産を相続することはありません。
しかし、生命保険金や死亡退職金などは、受取人が指定されていれば、法律上、相続財産ではなく受取人固有の財産とみなされます。
生命保険金などは法律上は相続財産の区分にはなりませんが、税法上は一定を超えると相続税の課税対象となります。
そのため一定の要件を満たす場合には未成年者控除を適用できる可能性があります。
相続税の未成年者控除を適用する方法
未成年者控除は、適用要件を満たしていれば算出税額から差し引かれる税額控除項目です。
未成年者控除の適用によって納めるべき相続税額が0円となり、かつ相続財産の総額が基礎控除額以下である場合には、特に手続きをする必要はありません。
一方で、未成年者控除を利用しても納税する必要がある場合や、申告が要件となっている他の特例を併用して納税額を0円にする場合には、相続税の申告書を税務署へ提出する際に必要書類を添付しなければなりません。
相続税申告書における未成年者控除額の計算書を記入し、子どもの氏名や生年月日、および控除額の計算を記入し、提出する必要があります。
また、要件を満たしていることを証明するために、子どもの戸籍謄本なども一緒に提出してください。
なお、子どもの税額から控除しきれず、扶養義務者の税額から差し引く場合には、扶養義務者の申告書においても適切な記載を行う必要があります。
相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内と定められているため、注意してください。
まとめ
今回は、相続税の未成年者控除の適用要件や、相続放棄した場合でも未成年者控除を適用することが可能なのかについて解説しました。
未成年者控除を利用するためには、相続人となった未成年者が国内に住所を有していることなどといった条件を満たしている必要があります。
未成年者控除の適用要件を満たしているか判断に迷われている場合や、相続税申告書の作成に負担を感じられている場合には、税理士に相談することを検討してください。
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